「インド人の英語が聞き取れない…」
そんな経験はありませんか?
実は、多くの場合は英語力の問題ではありません。
インド英語には、アメリカ英語やイギリス英語とは異なる独特の発音ルールがあります。
そのルールを知るだけで、インド人との会議や電話の聞き取りは驚くほど楽になります。
この記事では、日本人が特に遭遇しやすいインド英語アクセントの特徴を6つ紹介します。
- インド英語の特徴とは?
- 1. TがDに似て聞こえる「反舌音」
- 2. THがTやDになる
- 無声音TH → T
- 有声音TH → D
- 3. RとLをはっきり発音する
- Rの違い
- Lの違い
- 4. P・T・Kが無気音になる
- 5. VとWが近い音になる
- 6. 二重母音が単母音になる
- まとめ
インド英語の特徴とは?
インド英語は、イギリス英語をベースにしながらも、ヒンディー語、タミル語、マラーティー語などの22もの公用語(インド諸語)の影響を受けて発展した英語です。
そのため、
- 発音
に独自の特徴があります。
まずは代表的な6つの特徴を押さえましょう。
1. TがDに似て聞こえる「反舌音」
インド英語最大の特徴の一つです。
ヒンディー語などのインド諸語には、舌先を後ろに巻いて発音する「反舌音」があります。
その影響でTやDも、アメリカ英語より舌を後ろに引いた状態で発音されます。
その結果、やや音が濁ってTがDのように聞こえることがあります。
標準英語 | カタカナ | インド英語での聞こえ方 | カタカナ |
Tell | テル | Del | デル |
Table | テイブル | Dable | デイブル |
Butter | バター | Badder | バダー |
Water | ウォーター | Wadder | ワダー |
聞き間違えるポイント
Tell me(テル・ミー)
が
Dell me(デル・ミー)
のように聞こえることがあります。
2. THがTやDになる
英語のTH音は、舌を歯と歯の間に当てる特殊な発音です。
しかし多くのインド諸語には同じ音が存在しないため、最も近い音で代用されることがあります。
その結果、
- 無声音TH → T
- 有声音TH → D
になる傾向があります。
これ日本英語に通じるところがあります。
無声音TH → T
標準英語 | カタカナ | インド英語での聞こえ方 | カタカナ |
Three | スリー | Tree | トゥリー |
Think | シンク | Tink | ティンク |
Thirty | サーティー | Tarty | ターティー |
Thank You | サンキュー | Tank You | タンキュー |
有声音TH → D
標準英語 | カタカナ | インド英語での聞こえ方 | カタカナ |
This | ディス | Dis | ディス |
That | ザット | Dat | ダット |
There | ゼア | Dare | デア |
Brother | ブラザー | Brudder | ブラダー |
聞き間違えるポイント
Three(スリー)
が
Tree(トゥリー)
のように聞こえることがあります。
日本人にとっては逆に分かりやすい場合もあります。
3. RとLをはっきり発音する
インド諸語では、子音を曖昧にせず発音する傾向があります。
そのためインド英語でも、
- R(アール)はしっかり弾く
- L(エル)は最後まで発音する
という特徴があります。
Rの違い
アメリカ英語のRは口の奥で舌を丸めて発音します。
一方インド英語では、スペイン語に近い弾き音(巻き舌)になります。
単語 | アメリカ英語 | インド英語 |
Grape | グ(ゥ)レイプ | グレイプ |
Carrot | キャ(ゥ)ロット | キャロット |
Breakfast | ブ(ゥ)レックファスト | ブレックファスト |
Price | プ(ゥ)ライス | プライス |
Lの違い
アメリカ英語ではLが曖昧になることがあります。
しかしインド英語ではLを最後まで発音します。
単語 | アメリカ英語 | インド英語 |
School | スクーゥ | スクール |
Call | コーゥ | コール |
Hotel | ホテゥ | ホテル |
Welcome | ウェゥカム | ウェルカム(Lが明瞭) |
日本人が感じるメリット
この特徴は、日本人にとってはむしろ聞き取りやすい場合があります。
4. P・T・Kが無気音になる
英語ネイティブはP、T、Kを発音するときに強い息を出します。
しかしインド英語では、息の放出が少ない「無気音」に近い発音になることがあります。
そのため音が力強く聞こえます。
単語 | アメリカ英語 | インド英語 |
Pan | パーン(息が強い) | パン |
Price | プライス(息が強い) | プライス |
Tiger | タイガー(息が強い) | タイガー |
Time | タイム(息が強い) | タイム |
Cable | ケイブル(息が強い) | ケーブル |
Can | キャン(息が強い) | キャン |
インド人の英語が強気に聞こえる理由の一つです。
実際には怒っているわけではなく、言語的な特徴です。
聞き慣れない音なだけで、明確な発音なので慣れれば聞き取りやすいです。
5. VとWが近い音になる
日本人が最初に気付くことが多いのが、このVとWの違いです。
ヒンディー語には英語ほど明確なVとWの区別がありません。
そのため、VとWの中間のような音になることがあります。
標準英語 | カタカナ | インド英語での聞こえ方 | カタカナ |
Very | ヴェリー | Wery | ウェリー |
Voice | ヴォイス | Woice | ウォイス |
Vote | ヴォート | Wote | ウォート |
West | ウェスト | Vest | ヴェスト |
Wine | ワイン | Vine | ヴァイン |
Welcome | ウェルカム | Velcome | ヴェルカム |
日本人が聞き間違えるポイント
Welcome everyone(ウェルカム・エブリワン)
が
Velcome everyone(ヴェルカム・エブリワン)
のように聞こえることがあります。
6. 二重母音が単母音になる
アメリカ英語では母音が滑らかに変化します。
例えばGo(ゴー)は実際には「ゴウ」に近い発音です。
oが二重母音となり「オゥ」という音になります。
一方インド英語ではスペルに忠実な発音が好まれるため、母音の変化が少なくなります。
その結果、二重母音が単母音化します。
単語 | アメリカ英語 | インド英語 |
Phone | フォウン | フォーン |
Open | オウプン | オープン |
Go | ゴウ | ゴー |
Home | ホウム | ホーム |
No | ノウ | ノー |
日本人が感じるメリット
この特徴は日本人にとって比較的聞き取りやすい傾向があります。
むしろローマ字読みに近いと感じる人もいます。
まとめ
特徴 | 日本人の聞こえ方 |
TとDの反舌音 | TがDに聞こえる |
TH→T/D | ThreeがTreeに聞こえる |
RとLが明瞭 | 子音が聞き取りやすい |
P・T・Kの無気音化 | 強く断定的に聞こえる |
VとWの混同 | VeryがWeryに聞こえる |
二重母音の単母音化 | Goがゴーになる |
インド英語を理解するコツは、「間違った英語」と考えないことです。
インド英語は、世界最大級の英語話者人口を持つインドで発展した、れっきとした英語の一つです。
まずはこの6つの特徴を意識して会議や動画を聞いてみてください。
今まで聞き取れなかった単語が、驚くほどクリアに聞こえるようになるはずです。